目次
人間の骨は何本ある?
人間の骨は正確には何本が分からない?
人間の身体には200本以上の骨があります。
それらの人体の骨は複雑に組み合わされていて、部位によって大きさから形状、役割までそれぞれ異なります。
では正確には、人間の骨は何本あるのでしょうか?
人体の骨の数は、200本、200本以上、206本、208本などと文献や資料により本数の表記が変わります。
最も多いのが、「206本」という表記です。
基本的には、人間の成人の骨は206個とされています。
では何故、人体の骨の数は定まっていないのか?
それは、骨の数は年齢や個人によって変わるからです。
子供は大人より骨が数が多くなります。
子供の頃には300本以上の骨があります。
人間は、産まれたばかりのときに離れていた骨が大人になるにつれ癒合して一つの骨になります。
そのため、子供は大人より骨の数が多くなるわけです。
また、個人によっても骨の癒合の具合が違うので、骨の数が若干変わってしまうのです。
そのため、成人の場合は206本というのが平均的、基本的な骨の本数ということになりますが、人間の骨の数を正確に●●●本と決めつけることはできません。
ですから、正確に表現するなら、人間の成人の骨の数は「200個あまり」というのが妥当でしょう。
人間の骨の中で最大の骨と最小の骨は?
人体で最も大きな骨は「大腿骨」
人間の成人の骨の数は200個あまりですが、骨の形はまちまちで一個として同じ形の骨はありませんし、大きさも違います。
では、人体の骨の中で最も大きい骨は何でしょうか?
人体で最も大きな骨は「大腿骨(だいたいこつ)」です。
大腿骨とは、太もも部分にある大きな骨のことです。
人間は二本足で歩きますので、大腿は身体を動かすしたり体重を支える中心的な役割を果たしますので、人体の中でも最も大きな骨というのも頷けます。
そのため骨も長く、頑丈になっているわけです。
人体で最も小さな骨は「耳小骨」
では、人体の骨の中で最も小さい骨は何でしょうか?
人体で最も小さな骨は「耳小骨(じしょうこつ)」です。
耳小骨とは、頭の骨の中に埋まっている骨で、鼓膜で受け止めた音を振動を大きく拡大しながらもっと奥に伝えるための骨です。
耳小骨は、ツチ骨(約9mm)、キヌタ骨(約7mm)、アブミ骨(約3mm)の3種類がつながってできています。
ちなみにこの3つの骨は珍しい名前ですが、形からきている名前で、「ツチ(つち)」はハンマー、「キヌタ(きぬた)」は布などを叩いてやわらかくする道具、「アブミ(あぶみ)」は馬に乗る時に足を乗せる馬具のことです。
アブミ骨が最も小さい骨ですから、厳密に言うと人体の骨の中で最も小さい骨は「アブミ骨」ということになりますが、一般的には人体で最も小さな骨は「耳小骨」とされています。
骨密度とは?
骨密度とは何?
「骨密度」とは、読んで字のごとく骨の密度のことで、骨の強度を表す指標の一つです。
「骨量」「骨塩量」「骨塩定量」ともいいます。
一定容積の骨に含まれるカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分の量を指します。
骨密度は成長と共に増えていき、一般的に男女共に20歳頃に骨密度のピークがあり、その後40歳頃までは一定の骨量を維持できますが、その後は加齢とともに徐々に減り始めるとされています。
女性は、更年期(閉経)になるとエストロゲンなど骨を維持する女性ホルモンが低下し、骨密度が急速に減少するといわれています。
YAMについて
「YAM」』とは、「Young Adult Mean」の頭文字を略したもので、日本語に訳すと「若年成人平均値」ということです。
この数値は、20~44歳の健康な女性の骨密度を100%として、現在の自分の骨密度が何%かを比較した数値です。
YAM値の80%以上:正常
YAM値の70-80%:骨量減少
YAM値の70%未満:骨粗鬆症
YAM(若年成人平均値)が80%以上なら正常、70%未満になると「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」と診断されます。
骨密度が減少すると、骨が弱くなり骨折などのリスクが増えますので注意が必要です。
骨密度を計測する骨密度測定器は各種あります。
医療機関、保健所などで用いている骨密度測定器で計測するのが正確な骨密度の数値が出ます。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは? 原因の鍵はエストロゲン
骨粗鬆症とは何か?
「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨密度が低下して骨を形成している組織が吸収され減少し脆くなった状態を指します。
化学的に骨の成分の変化はありませんが、骨質全体が減少して組織的に骨皮質の幅が薄くなり、骨稜(こつりょう)も粗となった状態です。
「骨多孔症」ともいいます。
通常は老化によって全身的に骨が希薄化した状態で、進行すると骨が弱くなり、骨折しやすく、湾曲したり、身長が低くなったりします。
最も多いのは中高年者です。
閉経後に急に骨量が減少するため、女性に多い傾向があります。
厚生労働省などによると、日本国内の患者は高齢女性を中心に年々増加し、自覚症状のない未受診者を含めると推計で1100万人超に上るということです。
患者の8割は女性で、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が患者になっている可能性があるとされます。
骨密度の測定検査結果の基準指数として用いられる「YAM」で、骨密度が70%未満になると骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症の原因
・閉経後の女性ホルモン低下
女性は閉経後に女性ホルモンの分泌が低下します。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨の新陳代謝で骨吸収をゆるやかにし、骨からカルシウムが溶け出すことを抑制する働きがありますが、女性ホルモンが減ることにより急激に骨密度が減る場合があります。
逆にエストロゲン値が急激に減少しない男性は、骨密度の減少が女性よりも緩やかで、それが骨粗鬆症患者の8割が女性という結果になっています。
・無理なダイエット
日本はダイエット王国と言うほど、年中ダイエットが話題にのぼります。
特に女性はその傾向が強く、無理に食事制限することによって栄養不足になり、それが骨粗鬆症の原因になります。
・運動不足
骨は負荷がかかるほど、丈夫になります。
しかし、運動不足で骨に負荷がかからない生活を送っていると骨が衰えやすくなり骨粗鬆症になるリスクが増えます。
・飲酒や喫煙
喫煙や過度のアルコール摂取も、骨粗鬆症の危険因子とされています。
・病気や薬の影響
特定の病気や服用している薬によって、骨粗鬆症になる場合があります。
他にも遺伝や体質などの影響もあると言われています。
女性のほうが骨粗鬆症になりやすい2つの大きな理由
女性が骨粗鬆症になりやすい理由
男性よりも女性のほうが、骨粗鬆症になりやすいことが分かっています。
では、何故女性のほうが骨粗鬆症になりやすいのか、2つの大きな理由がありますので見ていきます。
・エストロゲンの減少
女性は男性より骨がもろくなりやすい。
特に、閉経後に骨粗鬆症が進行することが分かってきています。
女性は閉経後に女性ホルモンが減ります。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨の新陳代謝で骨吸収をゆるやかにし、骨からカルシウムが溶け出すことを抑制する働きがあります。
閉経後の女性は、女性ホルモンが減り、急激に骨密度が減る場合があります。
その結果、ちょっとした衝撃でも骨が簡単に折れてしまうというケースが多いのです。
転倒して骨を骨折して、そのまま寝たきりになるという高齢者が多いのも女性です。
骨粗鬆症は、骨密度が大きく関係していて、骨密度が70%未満になると骨粗鬆症と診断されます。
・筋肉量が少ない
骨を強くするためにはカルシウムやビタミンDなどの栄養素も大切ですが、最も大事なのは「力学的ストレス」がかかっていることなのです。
骨にかかっている力が大きいと、その力からなんとか耐えようとすることによって骨が強くなるのです。
そこで大切なのは「筋肉」です。
筋肉は必ず骨に付着していますので、筋肉を動かす、つまり筋トレをすると筋肉だけではなく同時に骨も刺激され、その刺激が「力学的ストレス」となって骨を強く丈夫にしてくれるのです。
女性は男性よりも、寝たきりになる期間が長く、寝たきりになる時期が早いということがデータかから分かっています。
女性は男性に比べ筋肉量そのものが少ない上に、筋トレなど体を鍛える機会も少ないのでどうしても骨も弱くなりがちなのです。
その結果、ちょっとしたことで骨折したり、歩行困難になり寝たきりになってしまうのです。
ですから、骨粗鬆症になりたくないなら、男性より女性のほうがより真剣に筋トレに取り組み、骨を丈夫にする必要性があるということなのです。
減った骨密度を上げるためには食事と運動の2つのポイントがある
カルシウム・ビタミンD・BMP
様々な要因で減った骨密度は、再び増やすことはできないのでしょうか?
間違いです。
骨密度は一度減ったら増やすことはできないと勘違いしている人がいますが、骨密度は増やすことが可能です。
昔から骨を強くするためには、カルシウムを沢山摂ることが大切だと言われてきました。
本当なのでしょうか?
骨の強さとは、「骨密度」が最も関係してきます。
骨密度とは、骨に含まれるミネラル量(骨量)を数値化したものです。
骨密度は、年齢や健康状態により絶えず変化します。
その結果、骨密度が著しく低下すると骨粗鬆症になります。
ではどうすれば骨密度を高めることができるのか?
一般的に、骨密度を高める、つまり「骨を強くする=カルシウム」というイメージが強いでしょう。
ですが、実はカルシウムを摂取するだけでは骨を強くする、骨密度を高めることはできません。
もちろん、骨の材料となるカルシウムを摂ることは当然ですが、同時に骨合成を促すビタミンDなどをしっかりと摂ることも大切になります。
ビタミンDを多く含む食品としては、青背の魚・きのこ類(干し椎茸、しめじ等)があります。
さらに、近年の研究によって「MBP」という栄養素が発見され、MBPが骨密度を高めることが分かってきました。
MBPとは、牛乳や母乳に微量に含まれるタンパク質のことで、ヨーグルトの上澄み液にも存在しています。
MBPはこの骨の新陳代謝に関連していますので、積極的に摂りましょう。
運動・筋トレ
加齢と共に減ってしまった骨密度は、主に骨に強い力を与えることで増加することが分かっています。
それも何歳になっても骨密度を増やすことが可能なのです。
そういう意味では、筋肉と同じです。
骨に強い力を加えるというのは具体的にどういうことかというと、典型的な例がウエイトトレーニングなどの筋トレです。
重い重量の上げ下げの筋トレをすると骨に強い負荷がかかり、骨密度が高くなることが実験結果から分かっているのです。
高齢者が骨粗鬆症になる理由は、カルシウムの吸収効率の低下と共に、運動不足も影響しています。
骨密度を高めるには、筋トレや運動により骨に刺激を与える必要があるのです。
結論ですが、骨密度検査を受けたら70%以下で骨粗鬆症と診断されたたからといって、諦めるのは早いです。
加齢と共に様々な要因で減少した骨密度も、骨に強い負荷をかける筋トレを行い、カルシウムやビタミンDを摂ることで増やすことができるのです。
諦める前に骨密度を増やす努力をしましょう。
その鍵は「筋トレ」です。
ただし、注意点があります。
年齢を考えずにいきなり無理して激しい筋トレをするのはやめましょう。
骨密度検査と骨密度の測定と基準値について
骨密度検査
加齢共に骨密度が低下してきているのではないかと不安になったら、骨密度検査を受けてみるといいでしょう。
骨密度検査ではX線や超音波を用いて、骨密度を測定して骨粗鬆症などの病気を診断してくれます。
整形外科で受ける方が多いようですが、総合病院であれば骨密度検査をしているところが多くありますので、確認してみるといいでしょう。
結果は、%(パーセント)で表示されます。
若い人の平均値を100%とした場合に、自分の骨の量が何%あるかを示されます。
骨密度の測定と基準値
骨密度を計測する骨密度測定器は各種あります。
代表的なものとして以下の3つの方法があります。
・DXA(デキサ)法
2つのX線を使います。
強いX線と弱いX線を当て、この2つのX線が通った量で測定します。
骨密度を測定する方法の中でも精度が高く世界中に普及しています。
・超音波法
超音波を使います。
かかとに超音波を当てて超音波が骨中をどれくらいのスピードで通るかで測定します。
X線を使わないので、妊婦や子供でも安心して検査を受けることができるメリットがあります。
・MD(エムディ)法
X線を使います。
人差し指の根元の骨をアルミニウム板と一緒にX線で撮影し測定します。
精度はあまり高くありません。
骨密度の基準値とその見方ですが、骨密度の測定検査結果の基準指数として用いられる指標として「YAM」という数値があります。
健康診断や定期検診などでも使われることが多い数値なので、このYAMによる骨密度の見方をご紹介させて頂きます。
YAM(Young Adult Mean)とは「若年成人平均値」の意味で、20~44歳までの健康女性の骨密度の平均値がYAN値として用いられます。
骨密度の正常値は、YANの平均値をもとにしています。
YAMの診断基準表
90%以上:正常範囲・優良
80%以上~90%未満:正常値
70%以上~80%未満:危険信号・骨量不足
70%未満:骨粗鬆症の可能性あり
骨密度が70%未満になると、骨粗鬆症と診断されます。
骨折すると以前より骨が強くなる?
骨折すると骨が強くなるという都市伝説
昔から、「骨折すると骨折する前より骨折した骨が強くなる」と言われてきました。
はたしてこれは事実なのか?
それとも単なる都市伝説なのか?
結論から言うと、間違い、嘘です。
都市伝説です。
では何故こんな間違いが、さも事実のように喧伝されるようになったのか?
それはおそらく、骨折し完治すると一時的に骨折した部分が太くなることからきているものと思われます。
一時的に骨が太くなるのは、骨折部分をつなぐ新しい骨、これを仮骨(かこつ)と言いますが、仮骨ができるために太くなるのです。
しかし、太くなったからといって、以前より強くなったのかというとそうではありません。
専門用語で、「リモデリング」といい、骨折は完治しても元通りの形状と強度に戻るだけで強くなることはありません。
つまり、骨折したらその箇所骨折以前より強くなるというのは間違いということです。
どこまでも原状回復のみで、元通りの形状と強度に戻るだけで、それ以上になることはありません。
ですから、骨折しても以前より強くなることはないわけですから、極力骨折という大怪我をしないように注意して運動や行動をすることが大事になるわけです。
関節とは何?
関節とは何?
関節とは、骨と骨をつないでいる組織を指します。
曲げたり、伸ばしたり、回旋したりして、身体の方向を変えることができます。
関節の動きは、関節の形状によって異なります。
肘関節のような「蝶番関節」は一方向しか動きませんが、股関節のような「球関節」は前後・左右・回旋と多方向に動くことができます。
関節には、正しい可動域(動く範囲)があり、その正しい可動域を超えたり、違う方向に動かすと痛めてしまいます。
関節には「靭帯」という結合組織が付いていて、骨同士をズレないように結びつけています。
関節の種類
可動関節を形状により分類すると、以下の通りです。
・球関節
肩関節、腕橈関節、肩甲上腕関節、中手指節関節
・臼状関節
股関節
・車軸関節
肘関節
・蝶番関節
腕尺関節、指節間関節、肘関節
・螺旋関節
足関節、手関節、足根間関節、腕尺関節、膝関節
・鞍関節
胸鎖関節、母指手根中手関節、足根中足関節
・楕円関節
橈骨手根関節、手根中央関節、環椎後頭関節、顎関節
・顆状関節
環椎後頭関節、膝関節、中手指節関節、顎関節、足関節、距骨下関節
・平面関節
椎間関節、肩鎖関節、手根間関節、足根間関節、豆状骨関節
・半関節
仙腸関節、脛腓関節、肩鎖関節、椎体間関節
・円柱関節
近位橈尺関節、環軸関節